建築資材が豊富になってきてから、様々な素材で住宅が建築がなされるようになりました。そんな中でも、かつてから日本の建築において、存在感を放ってきたのが木造住宅です。

では、その木造住宅のメリット、そしてデメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。それらの点について、ご紹介させていただきます。

木造住宅に住むメリットとは?

自分の好みのデザインの住宅にしやすい

木造住宅のメリットの一つとして挙げられるのが、住宅の設計において好みのデザインが行いやすい点です。

建築資材として木を使用する場合、木造軸組工法という日本古来の建築方法を用います。この工法は、木造の枠に合板を組み合わせて施工するものであり、比較的自由度が高い工法とされています。そのため、他の建築資材を使用した住宅よりも融通が利くのが大きな特徴です。

また、この設計の自由度はリフォームなどを行う際にも同様です。なので、自由に増改築をしたい場合も木造はメリットがあると言えます。

木の温かみを感じられる

木造住宅において、重要なメリットであるのが木の温かな印象でしょう。人間はかつてから木に親しみを持ち、そして温かさを感じる性質があります。木造の住宅は、そんな木の温かみを十分に実感できる住宅となります。

コンクリートの住宅ではどこか冷たい印象があるとか、ゆったりとした住宅に住みたいという場合、木造住宅を選ぶとその良さを実感することができます。

他の資材の住宅に比べて安価

鉄筋コンクリートなどは、資材が高い傾向にあります。その点、木材は比較的資材の値段が安いのが特徴です。そのため、他の資材に比べて木造住宅は安価に建築することが可能です。

また、鉄筋コンクリートの住宅の建築は特殊な工法が必要なため、請け負える工務店などが限られます。木造の場合は請け負える工務店が多い点でも、安く住宅を建てることができるのです。

木造住宅に住むデメリットとは?

火災のリスクがある

木造住宅のデメリットとして、一番に挙げられるのが火災のリスクです。木は燃えやすい性質を持つため、木造住宅は火種があると大きな火災に発展してしまう可能性があります。

最近では、燃えにくい建築資材を使用した木造住宅も登場していますので、以前に比べて火災のリスクは少なくなりました。

しかし、鉄筋コンクリートなどの住宅と比較すると、やはり火災に弱いのは否めないのが大きなデメリットであると言えるでしょう。

耐久性の面で他の住宅に劣る

木造住宅は、耐久性の面でも弱い点が挙げられます。鉄筋に比べると、木材の柱の強度は弱いですので、地震が揺ってしまった時や台風などの災害が起こった時には大きな被害に遭いやすいのが特徴です。

また、雨風にずっと晒されていると、それによって風化していくなどの耐久性の弱さもあります。そのため、住宅の寿命も、他の住宅と比較すると短い傾向があります。

シロアリに食われてしまう可能性も

木造住宅の一番の天敵であるのが、シロアリです。シロアリはご存知の通り、家の中に巣を作り柱や壁などに使われている木を食べる虫です。このシロアリに食われてしまうと、最終的に家がボロボロになってしまいます。シロアリに食われてしまう可能性があるのも、木造住宅の大きなデメリットです。

シロアリに食われないように、定期的なシロアリ駆除をしたり、食われた時にはその修復を行ったりする必要があります。それらのコストの面もデメリットだと言えるでしょう。

シロアリ以外にも、木造住宅を狙う生き物は多いんです…。木造住宅に多い害虫や害獣について、まとめた記事を書きました。

木造住宅に多い害虫や害獣:対策はこれ

木材の魅力について

豊かな香りが楽しめる

木材の魅力は、その見た目や肌触りだけではなく、豊かな香りを発してくれるところです。

木の素材にもよりますが、その素材によっては香料を一切使っていないのに気持ちの良い香りを出してくれるものがあります。その香りは、本能的に私たち人間が落ち着くようなものであるのも特徴です。

そのため、木材には香りという点でも私たちに安らぎを与えてくれるという魅力があります。

自然を感じられるのも魅力

木は人間にとって欠かせない生命であり、資源です。その木から取れた木材ですから、木材を見たり、触れたりすることで自然を感じることができます。

高度に発展した社会では、無機質なものに囲まれる機会も多く、自然を忘れてしまいがちです。木材はそのような環境であっても、五感を通して自然を感じさせ、そして思い出させてくれるのも大きな魅力でしょう。

デメリットも魅力になる木造住宅

木造住宅は、いくつかのデメリットがありますが、それに勝るほどのメリットがあります。それは木材そのものに大きな魅力があること、そして木造住宅にしかできない家の作り方があるからです。

このような魅力を見直し、改めて木造住宅の良さを実感していただければと思います。

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